今回は神奈川県川崎市のディーラー様からご依頼頂きました、アウディーTTの天井張直しを紹介させて頂きます。
しばらく施工のなかったアウディーTTですが、ここのところ立て続けて施工しています。
このアウディーTT、当店では今まで張直しではなく新しい生地を使用する張替えで対応していました。なぜならば、純正の生地に直接接着剤を塗布してしまうと、接着剤が表の表面に滲み出てしまうからです。
ただ今回は、チャレンジの意味合いもあり、失敗したら改めて新しい生地で張りなおすという条件でスタートしました。
では施工前の状態を見てみましょう。
見事な全垂れ状態ですね。
まずは天井に関係する部品を外していきます。アウディーTTは外す部品が少ないので、楽そうに見えますが、クリップが硬いので治具を使いながら外していきます。
天井が外れたらクリーニング作業です。
通常は金属ブラシ等でゴシゴシ劣化ウレタンを除去していくのですが、このタイプはそれをやってしまうと下地がボコボコになってしまうので、フンコロガシの要領でコロコロ劣化ウレタンを除去していきます。
ボードがキレイになったらいよいよ純正生地のクリーニングです。こちらの生地の裏面にも劣化ウレタンがベットリ付着しています。これを溶剤等でクリーニングしようものなら、劣化ウレタンが溶剤に溶かされ、生地にオレンジ色が染み込んでしまいます。まあそれも溶剤でしつこくクリーニングすればいずれキレイになるのでしょうが、今日は天気が良かったので丸洗いすることにしました。
生地の下にビニールシートを敷いて、高水圧でウレタンを吹き飛ばして行きます。
生地に劣化ウレタンエキスが染み込むことなくキレイになりましたが、乾かすのが大変です。天気の良い日じゃないとできませんね。
生地が乾くのを待つ間に、下地ウレタンを一度張付け、その後乾いた生地を張付けていきます。この乾いた純正生地に接着剤を塗布するのがかなり難しく技術を要します。
しかし完成後は純正そのままの仕上がりとなります。
苦労した甲斐あって、お客様にはとても喜んでもらえました。
新しい生地に張り替える数倍の時間を要する為、お値段も高くなりますが、純正にこだわるオーナー様には喜んでもらえるのではないかと思います。