今回は神奈川県横浜市のディーラー様からご依頼頂きました、ジャガーXKRの天井張替えを紹介させて頂きます。
まずは施工前の状態を見ていきましょう。

ジャガーXKR天井

天井の生地素材は、アルカンタラに代表されるスエード素材です。しかし生地をカッターで切り裂きその隙間からスプレータイプの接着剤を吹き込んで無理やり接着されてしまっています。まあ気持ちはわからなくは無いですが、このような処置は極力避けて頂いた方が良いですね。
なぜかというと、
① 当店のような施工業者からクリーニング費用をプラスで請求される可能性がある。
② あるいは施工を断られる場合もある。
③ 接着剤が取り切れず仕上がりが凸凹になってしまう。
④ 接着剤を無理やり除去することによりライナーの素材を痛めてしまう。
等々のデメリットしか無いからです。
どうしても天井が垂れてきてしまい、運転に支障が出るようであれば、張替えまでの期間は虫ピンやまち針等をさしてしのいで頂くのがベストな処置となります。

さて、面倒な接着剤付き天井ではありますが、モチベーションを上げてやっていきましょう!

ということで天井をお車から外し、車外に取り出しクリーニング作業です。接着剤でカッチリついている天井生地をライナー表面を破壊しないように慎重に剥がしました。生地を剥がしたライナーはこんな感じです。ベッチョリ接着剤ですね。このクラスの接着剤付き天井は年間でも2〜3回くらいですかね。

ジャガーXKR天井

写真では解りづらいですが、接着剤により表面は凸凹の極みです。これらをなんとかしなければ生地を貼り付けてもきれいには仕上がりません。
またこの接着剤がどのような組成かも考えながらベストな除去方法を検討していきます。今回は2種類の接着剤が使われていましたので、溶解と切削の2つの手法を用いました。
このレベルの接着剤の入り方だと完璧にフラットな面を作り出すことは難しいですが、今回使用する天井生地の裏面にあるウレタンの厚さで吸収できるレベルまで仕上げ、生地を貼り付けます。

ジャガーXKR天井
ジャガーXKR天井

まあ見た目的にはわからないレベルに仕上がりました。
ではあとはお車に組み付けて完成です。

ジャガーXKR天井

アルカンタラ(スエード)素材の場合、今回のようにカッターで切られていたり、接着剤が入っていなければ張替えではなく貼り直しがベストなんですが、今回の場合は仕方ありませんね。それでもきれいになりお客様にはご満足頂けました。

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