今回は東京都世田谷区の個人のお客様よりご依頼頂きました、ポルシェ911カレラの天井張直しを紹介致します。今回もお客様と一緒に作業する助手割引でのご依頼となりました。
また、今回の天井生地はアルカンタラなので、新しい生地を貼り付けるのではなく、現在の生地を再利用する張直しでの施工です。張直しより張替えの方がリーズナブルですが、その他のピラー類も同様のアルカンタラを使用しているため、お車の価値を下げない為にも当店では張直しをお勧めしております。
では施工前の状態を見て行きましょう。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8691.jpg)
全垂れしていますが、ピン等で刺されているわけでもなく、破れてもいませんので再利用可能です。
まずはお客様と二人でピラー類を外していきます。
ピラー類が外れたら天井を折り曲げないように助手席側から引き出していきます。
天井が引き出された車内はこんな感じです。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8692.jpg)
断熱材のようなものが隅々まで施工されていますね。
ではまずベースボードの方からクリーニングを進めていきます。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8693.jpg)
そして今回は張直しなので、はがした生地の裏面もクリーニングします。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8695.jpg)
生地側のクリーニングはボード側より難しいのです。溶剤を使用して仕上げていくのですが、溶剤を多く使用してしまうと溶剤によって溶け出た劣化色が表面にシミとなって染み出してしまいます。
とはいえ溶剤を使わないと劣化のベトベトが取れませんので、適度な量を見極めて作業を進めていきます。
クリーニングが終了したら接着剤を塗布します。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8696.jpg)
接着剤を吹き終わったらいよいよ貼り付け作業です。
当店では、ポルシェ911の張直しの場合、下地ウレタンを使用しないで貼り付けます。下地ウレタンを使用しない場合、手触りが固くなるというデメリットがありますが、メリットが非常に多いのです。
例えば、ウレタンを挟まず直接ボードに接着される為、将来的にも劣化の要因が無く、再びはがれる心配がありません。また、下地ウレタン代や下地ウレタンを施工する工賃がいらなくなるため、施工費を抑えることが出来ます。
少し専門的な話をすると、下地ウレタンのあるなしで、沿面距離が変わる為若干貼り付けが難しくなりますが、まあ私のスキルであれば問題ありません(笑)
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8697.jpg)
貼り付けのスタート時は、無駄な箇所の接着を防ぐ為部分部分に接着防止の布を忍ばせてのスタートになります。
そして貼り終えた天井をお車に組み付けて完成となります。
![ポルシェ911カレラ天井張直し](http://kworx.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/IMG_8698.jpg)
純正のままの生地の再利用の為、AピラーやCピラーとの違和感もなく、完全復元完成です。
お客様にもとても喜んで頂けました!