今回はアストンマーチンの天井張替えではなく、「張直し」を紹介致します。
アストンマーチンに多い、ピラーおよび天井全てがアルカンタラ素材で統一されている車内の為、適当な布製の新しい生地を張り替えてしまうと、チグハグした車内になってしまう為、このグレードのお車の場合は張替えではなく張り直しを行うのがスタンダードです。
ということで最初の状態を確認してみましょう。
ぱっと見、垂れていないように見えますが、リアガラス方面の天井が落ちて膨らんだようになっているのがわかります。
・・・にしても、オールアルカンタラ仕様の車内は、いつ見ても高級感がありますね。
アストンマーチンは、他のお車と比較して、天井を取り出す為に外さなければいけない部品が少ないため、比較的短時間で天井を車外に取り出すことが出来ます。
今回は張り直しなので、このダークグレーな表皮もクリーニングして再利用しなければなりませんので、汚さないように取り外し、保管しておきます。まずは、ボードの方のクリーニングです。
ボードのクリーニングが終わったら、表皮のクリーニングに移る前に、ボードに下地のウレタン付き生地を貼り付けてしまいます。
先にウレタンを施工しておくことで、接着剤の乾燥を促進します。連続で施工してしまうと、表皮がフタの役割をしてしまい、接着剤の乾燥が遅くなります。
通常の天井張替であれば、これで組み付ければ終わりなのですが、今回は張り直しなので、この上から表皮を貼り付けて行くことになります。
下地ウレタンの乾燥を待っている間に、今度は表皮のクリーニングを進めていきます。
ここに劣化ウレタンおよび劣化ウレタンのエキスが残っていると、接着剤の密着力が低下し、再垂れが発生してしまいますので、手で触ってサラサラになるまで、徹底的にクリーニングします。
表皮のクリーニングが終わったら、表皮の裏面に接着剤を塗布し、すでに下地ウレタンが貼られているボードに貼り付けて行きます。張り直しの場合、すでに開いている穴の位置を合わせ、しかもしわが発生しないように貼り付けて行くのは、なかなか技術の必要な作業となります。
さあこれで、組み付ければ本日の施工完了となります。
組み付けるといっても組み付ける部品が少ないので、簡単です。
リアガラス側の膨らみも無くなり、車内空間が広がった感じです。
ただ、張り直しなので、絵的には施工前の写真と代り映えしませんけどね。(^^;