今回は神奈川県横浜市のディーラー様からのご依頼で、メルセデスベンツSLRマクラーレンの天井張直しを紹介させて頂きます。
私はこのお車を知らなかったのですが、メルセデスベンツとマクラーレンにより開発されたスーパーカーで、イギリスのマクラーレン専門工場でハンドメイドされた限定車です。一番特徴的なのがバタフライドアですね。高速のサービスエリアでドアを跳ね上げて降りてきたら、みんなの注目を集めちゃいそうです。
内装も凝っていて、天井はスエードが採用されていました。よって、今回は張替えではなくて、「張直し」の作業になります。
では、施工前の状態を見ていきましょう。
まあいわゆる全垂れ状態ですね。
天井は大きさ的には小さいのですが、外した事がないし、限定車なので部品を壊してしまうと入手が困難そうなので、慎重に作業を進めて行きます。
今回は特にランプユニット周りで苦戦しました。とにかく少ないスペースにこれでもかとケーブルやらセンサーやらが詰め込まれていて、パズルのように組み立てられていました。組み立てられた逆順にはずしていかないと壊してしまいますね。
なんとか部品の破損なく天井取り出せました。
では、まずはベースをクリーニング。
これに下地ウレタンを張付けていきます。
はい、こんな感じ。通常の張替えであればこれをお車に組み付けて終わり!になるのですが、貼り直しはここからが本番。
再利用する生地の裏面をクリーニングしなければなりません。これがかなり気を使う作業で、今回のようにスエードの場合裏面から溶剤を染み込ませてしまうと表面に染みが残ってしまうため、染み込ませすぎないように溶剤を使用していかなければなりません。よって、時間もかかります。
クリーニングが完了した生地の裏面に接着剤を塗布し、張付けていきます。
ここでまた難しいのが、生地の再利用の場合すでに生地に穴が開いているということです。この穴をベースの穴に合わせつつしかもシワを出さずに張付けなければなりません。局所の作業をしながら全体のバランスを頭に入れての作業が必要になります。
張直し作業も終わり、お車に組み付けて完成です。
もとのかっこいい車内に戻りました。