今回は個人のお客様からご依頼頂きました、ポルシェ911カレラの天井張替えを紹介致します。お客様より教えて頂いたのですが、911カレラにターボがつく前の最後のモデルだそうです。ターボ無しの味わいのある走りが好きな方にはたまらない1台ですね。
そして今回はお客様が私の助手として施工に参加する、「助手割引」でのご依頼となりました。

では施工前の状態を見ていきましょう!

ポルシェ911カレラ天井

美しいアルカンタラの天井、しかも垂れていないように見えますよね。
浮いてきてしまったところをピン留めされています。
お客様によると、遠征中天井が垂れてきて、どうしてもそれが気になってしまい、遠征の帰り道100円均一に飛び込み縫い針を購入され、それを刺してとりあえず留めたそうです。これは正解の対応で、下手に接着剤を入れてしまうと最終的に当店のような張替え業者に依頼した際、追加料金を請求される可能性もあります。応急処置は是非ピン留めで!

ポルシェ911カレラ天井

では、お客様(助手)と一緒に天井を車外に出すため、内張り類を外していきます。

内張りをひとしきり外した後、天井を車外に取り出す工程になりましたが、ちょっと工夫しないと天井を折り曲げずに取り出すことは出来ません。
ステアリングポジション、シフトポジション、そして天井の向き、この3つをうまく連動させることにより天井を折り曲げる事無く車外に取り出すことが出来ます。

ポルシェ911カレラ天井

天井が取り出せたらクリーニング工程です。
この手のお車は天井が小さいので、クリーニングは比較的らくですね。

きれいになりました!

ポルシェ911カレラ天井

黄色いマスキングテープで養生しているところは接着剤を乗せたくないところ。極論を言ってしまえば接着剤が乗ってしまっても問題は無いのですが、将来どこかの業者様が部品を外す作業をした際、部品を外したその向こうに接着剤が吹かれていたら、「前の業者さん結構雑ですね〜」と思うかもしれません。それが嫌なのでマスキングしています。
ということで、マスキングをしたら接着剤を塗布し生地を貼り付けていきます。
今回は純正の生地がアルカンタラなので、張替えではなく純正の生地を再利用した貼り直しもできるのですが、お客様が「針で穴を開けちゃったし、いい具合の生地があったので張替えで行きます」と決断されたので今回は新しい生地を使用する張替えになりました。
とはいえ、小さな穴が空いただけの純正アルカンタラ生地、捨てるのはもったいないということで、「なにかに使えるかも・・・」ということでお客様がお持ち帰りされることになりました。

接着剤を吹き、天井の表面貼り終わりました。
ここからはお客様(助手)にもご参加頂き、トリミング及び穴あけ処理を行います。

ポルシェ911カレラ天井

トリミング作業はカッターを使用します。すべてのお客様に作業をお願いするのですが、お客様のご事情により拒否頂いてもOKです。
過去断られたお客様が3名いらっしゃいました。カッターを使用するため、手を切ってしまうリスクがゼロでは無いですからね。その3名のお客様の職業は、飛行機のパイロットと外科のお医者様でした。どちらも手に傷があると仕事が出来ないルールがあるそうです。さすがですね。
本日のお客様は大丈夫だったので、一緒に作業して頂きました。

トリミングして、折り返して、穴を開ければ天井の完成です。

ポルシェ911カレラ天井

ではこれを折り曲げないで車内に入れていきます。また例のポジションをセッティングして入れて行き、内張りを組み付ければ完成です。

ポルシェ911カレラ天井

純正のアルカンタラではなくなりましたが、高級感を保っていて、純正と言っても過言ではない美しい仕上がりですよね。

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