MINI JCW(ジョン・クーパー・ワークス)GPだけでなく、欧米の高級車のダッシュボードは本革を貼られている車種がありますが、経年劣化によりその本革が縮んで剥がれてきてしまいます。
このページでは、本革が貼られているダッシュボードが縮んで剥がれる原因および修理費用に関しまして、職人の視点から詳しく解説致します。
また後半では東京都の外車ディーラー様からご依頼頂いたMINI JCW GPのダッシュボード張替え修理の実際の施工の様子を紹介させて頂きます。
1 縮み・浮き・剥がれの原因
根本原因は、ダッシュボードに本革を使用していることです。本革は生き物で、適度な油分と水分を含み続ける事が出来れば長く愛用出来ます。例えば本革のグローブや靴、バッグ等は日常のメンテナンスによって何年も使い続ける事が出来ます。
ダッシュボードにも同じ事が言えるのですが、グローブ・靴・バッグと根本的に違うのが、保存環境です。ダッシュボードは自動車の車内で最も多く紫外線と熱を浴びる場所です。そのような過酷な環境下に何年もさらされることにより、本革の維持に必要な油分と水分が抜けてしまい縮みが発生し、その縮む力に接着力が負け剥がれ・捲れ・浮きが発生します。
2 剥がれ・浮き・縮みの対策
・ 事前対策(縮みが発生する前の対策)
一番の理想は空調管理が出来る直射日光の当たらない場所で保管するのが一番ですが、一般的にそれは難しい環境です。通常出来る一番の対策としては、保管時ダッシュボード用サンシェードをかぶせて保管することです。それと同時に革用保湿剤を定期的に塗り込むことも重要になります。これらを継続することで本革の縮みを遅らせる事が可能です。
・ 事後対策(縮みによる剥がれや浮きが発生してしまった際の対策)
一度縮んでしまった本革はもう元には戻りませんので、修理かあるいはダッシュボードの交換をするしか元の綺麗なダッシュボードにはなりません。しかし、本革の裏面には硬質発砲層があり、縮みを放置し続けると裏面の硬質発砲層まで捲れてくる場合があり、そうなると修理費用がアップする場合があるので、いずれ修理をするにしても、ダッシュボード用サンシェードをすぐにかけ、進行を止めるのがベストな対策になります。
また縮みが発生してからは加速度的にはがれ・めくれ・浮きが進行していきますので、なるべく早い時点で専門業者での修理や交換をお勧め致します。
3. MINI JCW GP修理比較(特徴と費用) 重要
ここでは、修理をするとなったらどのような選択肢があるか、具体的な特徴と費用を説明致します。
選択肢としては、①当店のような専門業者に依頼し張替え修理を行うか、②ディーラーでダッシュボードを新品に交換するかの二択になります。
ではそれぞれの特徴および費用を以下の通り説明させて頂きます。
① 修理専門業者で張替え修理
■ 特徴 ■
- 本革ではなく合成皮革で張替え
縮んだ本革は廃棄し本革と比較してもそん色のない合成皮革で張り替えます。本革特有の臭いはありませんが、紫外線・熱で劣化し縮むことが無いため、張替え後末永くご使用頂けます。 - ダッシュボード単体でのお持ち込みが必要
当店をはじめ多くの修理専門業者はダッシュボード単体でのお持ち込みが修理の大前提になっている場合が多いです。よってお客様側でダッシュボードを外して持ち込む必要がございます。しかしこれは一般のお客様には大きなハードルとなります。
お車をご購入されたディーラー様やお車販売店様は、ダッシュボードを脱着出来る業者様とのつながりがあると思いますので、お問い合わせ願います。
■ 修理費用 ■ (金額は型式やダッシュボードの状態により変動します)
【1】ダッシュボード脱着保管費用(脱着業者様へのお支払い分)
110,000円~160,000円(税込)
【2】ダッシュボード張替え費用(当店)
110,000円~200,000円(税込)
※費用は、張り替える部位(平面部・ステッチ部)およびダッシュボードの状態によって変動します。具体的なMINI JCW GPのお見積りが必要な場合はお問い合わせください。
② ディーラー様で新品交換
■ 特徴 ■
- 新品のダッシュボード(本革製)に交換
型式によってはすでに廃盤になっているダッシュボードもあると思いますが、純正のダッシュボードと交換します。純正の本革のダッシュボードに交換される為、本革好きのオーナー様はこちらの選択肢が良いかも知れません。 - 耐久性
本革の新品ダッシュボードへの交換の為、相変わらず紫外線と熱には弱いダッシュボードとなります。先述させて頂いた事前対策を行わないと数年後また同じ縮み症状が発生します。
■ 修理費用 ■ (金額はMINIの型式により変動します)
【1】ダッシュボード脱着保管費用
110,000円~160,000円(税込)
【2】ダッシュボード新品費用
300,000円~(税込)
③ 結論・まとめ
本革特有の臭いは無いものの、見ただけでは本革か合成皮革かわからないレベルの合成皮革で張り替えるか、あるいは純正本革ダッシュボードに入れ替えるか。どちらを選択されるかは、オーナー様の価値観が重要になって来ます。耐久性を重視するのであれば当店のような修理業者で合成皮革で張替え、そして純正・本革を重視するのであれば、ディーラー様で新品交換をご選択頂ければと思います。
4. MINI JCW GPダッシュボード修理施工の紹介
ここからは実際のMINI JCW(ジョン・クーパー・ワークス)GPのダッシュボード修理の施工を紹介させて頂きます。今回は東京都のディーラー様からのご依頼となりました。
■ 施工前
ぱっと見、「どこが悪いの?」と思われるかも知れませんが、ダッシュボードのフロントガラス側の面がヨレヨレしていると思います。この部分が縮んで剥がれてきてしまったそうで、その後ディーラー様の方で内部ウレタンを除去し、接着剤を投入して修理を試みたそうです。
しかし、綺麗に仕上げる事が出来ず、ネットで当店を探し出してくれてのご依頼となりました。

フロントガラス側の革をめくってみると、ビッタリ接着剤が投入されていました。この接着剤の残渣を綺麗に除去しないと、新しく本革を貼っても接着剤の凸凹が表面に出てしまったり、密着が悪くなったりするので、まずはこの接着剤の除去作業が最初の工程になります。
このような状態だと、通常の張替え工賃に除去作業費をプラスで頂く事になってしまいますので、出来る限りDIYは行わず当店のような修理業者にご依頼頂く事をお勧めいたします。

また、当店では仕上がりの綺麗さおよび耐久性を追求し、外されたダッシュボードをさらに分解しての作業を行います。プラスチック同士が溶着された部分を破壊し分解します。張替え後破壊した部分を接合しますので、接合し易さを考えた破壊方法を選択します。
■ 縫製
今回は赤色のダブルステッチが3か所あるダッシュボードなので、型を取り縫製し、仕上げにダブルステッチを入れていきます。

■ 完成
下地にウレタンを敷き、縫製した合成皮革を貼り付ければ完成となります。
合成皮革ではありますが、こうやって見ると本革との違いを見いだせないくらい高品質な合成皮革です。目をつぶって臭いをかぐと、本革ではないことがわかってしまいますが、紫外線や熱にも強いのでもう縮んで捲れてくる事はございません。

5. その他のダッシュボード修理の施工事例
ケーワークス|自動車内装・天井張り替え
神奈川県川崎市・横浜市を中心に、自動車の天井張り替え、天井修理、内装リペアなどを行っています。
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