今回は静岡県牧之原市の個人のお客様からご依頼頂きました、ポルシェ911991の天井張替えを紹介させて頂きます。天井張替えと言っても今回の純正生地はアルカンタラなので、純正生地を再利用する張直し施工となります。今回もお客様が助手として施工に参加頂く、助手割引でのご依頼となりました。
私も実家が静岡県なので、静岡のお客様というだけで地元感があふれてきます。

ちなみに助手としてのお客様に施工頂く工程は以下の④⑤以外は全てお手伝い頂きます。
割引分はしっかり働いてもらいます。(笑)

天井張直しの工程は以下の通りとなります。

① 施工前チェック
② 部品取り外し
③ クリーニング
④ 接着剤塗布
⑤ 貼り付け
⑥ トリミング・折り返し・穴あけ
⑦ 部品組付け
⑧ 完成~チェック

では写真と一緒に説明していきます。

■ 施工前チェック

施工に入る前に以下の項目をチェックしていきます。事前にチェックすることによりお客様・当店双方に無駄な疑義を生じさせることを防ぎます。

・天井の状態
・劣化ウレタンの飛散状況
・電装系
・車内の傷等

ポルシェ911天井張替え

お客様によると天井が頭にサワサワついてしまい、運転上危険と判断されつっかえ棒を使用し頭に当たらないようにしていたとの事でした。この対処は完璧です。是非ともやめて頂きたい処置は、スプレー式の接着剤を隙間から吹き込むような応急処置です。吹き込んだ接着剤の量が少なければまだ良いのですが、張り付かないからと言ってガンガン吹き込んでしまうと、生地に接着剤が染み出てしまうだけでなく、張替え業者が張り替える際、固まったスプレー式接着剤の除去にかなりの手間がかかり、追加料金を請求される場合もございます。それより天井の表面が凸凹になり仕上がりに影響が出てしまいます。
天井の生地が垂れて来て頭に当たってしまう場合は、今回のお客様の様につっかえ棒を使用したり、待ち針や虫ピンで留める等の処置でお願い致します。

■ 部品取り外し

施工前チェックをお客様と一緒に済ませたら、いよいよ部品を取り外していきます。ポルシェ911はBピラー以外は難しい部分はありません。
そのBピラーですが、金属製のクリップが2つあるのですが、奥側のクリップが厄介です。ばね式のクリップなのですが、バネが奥側についている為手前側から押すことが出来ません。
そこで当店ではポルシェ911のBピラー専用工具を作成しました。このツールを使用すると問題なく外すことが出来ます。

ポルシェ911天井張替え

■ クリーニング

取り出した天井からアルカンタラの表皮をはがしてクリニング作業を行います。
まずはブラシで大まかに除去したあと、溶剤で表面をサラサラに仕上げていきます。
我々天井張替え屋さんからすると、毎日行っている作業の為、面白みもない工程ですが、お客様にとっては初めての工程の為、「楽しい」と言われていました。

ポルシェ911天井張替え
ポルシェ911天井張替え

ボード側のクリーニングが完了したら今度は再利用するアルカンタラの裏面のクリーニングを行います。
通常の新しい生地に張り替える「張替え」であれば必要のない工程ですが、今回は「張直し」なので、必須の工程となります。

ポルシェ911天井張替え

この純正生地の裏面のクリーニングはボード側より難しいです。
ボード側の様に単純にブラシ+溶剤というわけにはいきません。下手に溶剤を使うと表面に染み出して輪染みの原因になります。とはいえ裏面がベタベタしていては接着剤の密着が低下します。
当店ではその時の状況により、水・洗剤・アルコール系を使い分けてクリーニングを行います。

■ 接着剤塗布

クリーニングが完了したら次は接着剤の塗布工程になります。

当店では既存生地の貼り直しの場合、下地ウレタンを入れてその上に既存生地を貼り付ける「下地ウレタン有施工」と下地ウレタンを入れずにボードに直接既存生地を貼り付ける「下地ウレタン無し施工」の両方の施工を行います。
車種によっては下地ウレタンを使用しないと施工できない車種がございますので、その場合は必然的に下地ウレタンを使用することになりますが、今回のポルシェ911やケイマンは下地ウレタンを入れても入れなくても施工できる車種になります。
この下地ウレタンをどうするかは、メリットデメリットをお客様に説明しお客様と決めていくことになります。
今回は下地ウレタン無し施工をお客様が希望されたので、接着剤をボード側とアルカンタラの裏面に塗布し直接貼り付けていく工法になります。

【下地ウレタン無しのメリット】

  • 下地ウレタン代および下地ウレタン貼り付け工賃の必要が無いため、下地ウレタン有と比較し安価。
  • 将来劣化する下地ウレタンを使用していない為、2度と垂れない天井になる。

接着座塗布の前にアルカンタラ側は、表面に接着剤がまわらないように養生を行います。

ポルシェ911天井張替え

養生が完成したらいよいよ接着剤を塗布していきます。生地の裏面に接着剤を塗布する場合、ライナー本体への接着剤の塗布と違った吹き方を行います。あまり集中的に吹いてしまうと生地から染み出して表側にシミを作ってしまいます。よって、ドライ気味に吹き付ける事がポイントになります。

ポルシェ911天井張替え

■ 貼り付け

ボード側、アルカンタラの裏面への接着剤塗布が完了したら、次は貼り付け作業工程となります。
張直しの場合、すでに穴の開いているアルカンタラをボード側の穴に合わせつつ、しわが出ないようにバランスを取りながら貼り付け作業を行わなければならない為、通常の張替え作業とは違うスキルが必要になります。

まずは穴の数が多いフロントガラス側から貼り付けていくのですが、そのあたりの貼り付けを行っている際、後方部分が接着されない様ボードとアルカンタラの間に布を敷き、その布をずらしながら少しずつ貼り進めていきます。

ポルシェ911天井張替え

表面が貼り終わったら裏面への折り返し部を貼り付けていきます。911の場合、フロントガラス際、クウォーターガラス際、リヤガラス際の4か所が折り返されています。

ポルシェ911天井張替え

■ 部品組付け

天井の張直しが完成したら最後は天井を車内に入れ外した部品を組み付けていきます。
外す際難しかったBピラーも組付け作業は簡単です。
お客様と一緒にサクサク作業を進め、あっという間に完成しました。

■ 完成~チェック

ポルシェ911天井張替え

お客様より、「天井が高くなった~!」と高評価を頂きました。
天井が綺麗になればそれで終わりではなく、電装系・車内の傷等をチェックして本日の作業終了となりました。
子供のころ、「家に帰るまでが遠足」と学校の先生に言われましたが、今回のお客様も遠方よりお越し頂いているので、ご自宅に帰るまでが本日の施工とも言えますので、貼り直した天井をチラ見することなく、安全運転でお帰り下さい!

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